DiPS.A
営業時間

月~金曜 9:00~18:00|

定休日

土曜・日曜・祝日・夏期休業・年末年始

027-254-1212

蛍光灯が禁止!?

先週26日、朝日新聞デジタルの報道をみて驚きました。「政府は、エネルギーを多く消費する白熱灯と蛍光灯について、国内での製造と国外からの輸入を、2020年度をめどに実質的に禁止する方針を固めた」といった内容です。どうやら省エネ性能が高いLED照明への置き換えを促すことが狙いのようです。

最近、店内全部がLED照明のコンビニって多いですよね。私は今でこそ慣れましたが当初、LED照明を使用しているコンビニに入った時、すごい違和感を感じました。全体的に明るい印象なのですが、手元はなんだか薄暗いような水銀灯のような不自然さ。

“演色性”という言葉を聞いたことがないでしょうか? ランプなど発光する道具・装置が、ある物体を照らしたときに、その物体の色の見え方に及ぼす光源の性質のことで、太陽光が色の見え方の基準となります。太陽光に似た色を再現できる照明がつまり、演色性が高いということになります。

一概には言えませんが現在、一般的向けLED照明は、白熱灯、蛍光灯と比べて演色性が低い印象を受けます。なぜなら、照明などで使用されている白色のLEDは、青と黄色を混ぜて作られた擬似的な白色だからです。以下の光の波長分布図(コニカミノルタHPより)をみると分かるように、LED電球は青と黄色に大きな山があり、緑色辺りには谷があります。赤色の波長も少ないです。こういった隔たりがあると、演色性が低くなり物の色がくすんだり偏ったりして不自然に見えてしまいます。

pict_004

pict_005

 ©2011-2015 Konica Minolta, Inc.

 印刷・写真業界では正しい色を評価・チェックする基準として、上記にあるような青から赤までの波長を満遍なく含んだ演色性の高いD50蛍光灯いった照明を使用しています。この照明であれば、より太陽光に近い自然な色を確認できる訳ですね。

こういった照明は業務用でありますので、先の報道にもあったように禁止されたり製造中止になることはおそらく無いと思います。だからといって色の確認が大切な場所ってなにも、印刷・写真業界だけではないと思うんですよね。例えば、衣料品店や家具・インテリアショップなど… 商品を購入後、家に帰ったら思ってた色と違う! なんて叫び声が蛍光灯や白熱灯がなくなりLED照明一辺倒になったらあちこちから聞こえてくるのではないかと危惧しています。

確かにLEDは省電力、長寿命、低発熱、紫外線が出ないなど良い面はたくさんあります。高演色を特徴とした製品もありますがまだまだ高価な印象です。2020年までに低コストで演色性の高い製品の普及が望まれます。

 

(Y)

 

DiPS.A前橋まちなか店
トップへ戻る