こんにちは。
6月13日、鉄人の日、むーんがお送りします。
なぜ鉄人の日かというと「鉄人」と言われた元広島東洋カープの衣笠祥雄さん(故人)が連続試合出場(2131試合)の世界記録(当時)を樹立した日にちなんだもの。
18年近く休まずずーっと試合に出続けているって立派なことです。
左肩にデッドボールを受け、骨折したにもかかわらず翌日も代打で出てきて3球続けて豪快に空振りしてみせた文字通りの鉄人でした。
衣笠さんがその世界記録を樹立した時にはむーんももう社会人になってたなあ…。
遠い35年前のお話でした。
さて今日は印刷にまつわるお話。
つい先日「すのこ取り」という言葉を耳にしました。
製本会社の担当営業から聞いたのですが思わず「え?なんですか、それ」と訊ねてしまいました。
すのこ取り、地域によっては「板取り」とも言うらしいのですが、刷り上がった印刷の紙と紙の間に板を挟むことをこう呼ぶのだそうです。
印刷用紙は何千枚と刷っていくと紙の重みが出てきます。
すると下のほうにある紙はその重みで印刷したインクが貼りついてしまうんですね。結果、裏移りなどの原因にもなってしまうのです。
それを防止するためにある程度の枚数のところで板を挟んで隙間をつくり、紙の圧がかからないようにするわけです。
恥ずかしながら知りませんでした。35年のキャリアがありながら。
すかさず隣のフロアのオフセット印刷のオペレータのところに行き、
「”すのこ取り”って知ってる?」
と訊くと
「知ってますよ~、この印刷機にも付いていますよ」
とのことでした。
私も長いこと営業をしていて、インクの付着しやすいベタ刷りなどの注文を受けていましたが印刷している現場で製本会社に手渡す前にこうした手間をかけていたことを初めて知りました。インクの裏付き防止でパウダー(粉)を振る程度かな、なんて思っていました。
こうしたすのこ取りなどもその言葉の通り、昔の人の知恵だったんでしょうね。
自分の中では衝撃的な手法(言葉)でした。
製本会社など協力会社の人と話をしていると実にいろんなことを知るきっかけになることに気付きます。
一見同じ仕様でも紙質が異なることで本として綴じることが困難になること、そのために綴じ方を変える必要があること、トラブルを回避するために製本会社が処置していること、などなど。印刷の知識だけじゃなく、製本や加工のこと、用紙のことなどまだまだ学ぶことがたくさんあるなあ、って思い知らされます。
一度その製本会社の「バーチャル工場見学」ということで動画で製造の様子を見させてもらったことがあるのですが、機会があったら実際に生で作業の様子を見てみたいなあと思っています。箔押しの様子、ハードカバーづくりの様子とか熟練した職人さんの作業をじっくり見てみたいですね。
前にも書いたと思いますが自分が知っていることってまだまだ奥深い地層の表面をすくっているくらいのものなんですよね。全然掘れてないな、って思います。
毎日同じ仕事の繰り返しではこういう気づきはないし、どんどん経験したことのない仕事に取り組まないと成長はないなあって感じます。難しい仕事に取り組め、というようなことがどこかの広告代理店の十則の中にありましたね。まさにその通り。
現状に満足することなく、前へ前へと精進します。
それではまた来週。